一人勝ち!東京ガスは電力自由化で最安料金プラン?

新電力で圧勝の東京ガス

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電力自由化後、3か月で目標達成

東京ガスは電力自由化の2016年度に電力サービスで40万件の顧客獲得を目標に掲げていましたが、それを3か月で達成しています。東京ガスに次いで申込数の多い大阪ガスやENEOSと比較すると3倍程度で、それを下回る新電力とは比較にならないほどの実績です。「ついに電力会社を選べる時代が来たか」と大きな話題になった電力自由化ですが、多方面から電力小売に次々と参入してきた数々の新電力の中、東京ガスの一人勝ちの様相となりました。

電力会社の切り替えが多い関東エリア

全国的に見て、電力会社の切り替えが比較的多いのが東京電力管内と関西電力管内です。世帯数の多さや地域電力会社の電気代への不満なども要因と考えられますが、関東エリアで電力事業を展開しているのは東京ガスだけではありません。石油系の新電力や通信系の新電力など、関東エリアでは選択肢が多数あります。なぜ東京ガスがこれほどまでに一人勝ちしているのでしょうか。

東京ガス、一人勝ちの要因は

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電気代が最安になる?

新電力への切り替えを望むのはやはり電気代の節約が最も大きな理由でしょう。一人勝ちの東京ガスの料金はそれほどまでに安いのでしょうか。東京ガスと東京電力の料金を比較してみましょう。

東京ガス(従量電灯B相当)

  • 第1段階料金:140kWhまで23.24円/kWh
  • 第2段階料金:140kWhを超え350kWhまで23.45円/kWh
  • 第3段階料金:350kWhを超えたもの25.93円/kWh

東京電力(従量電灯B)

  • 第1段階料金:120kWhまで19.52円/kWh
  • 第2段階料金:120kWhを超え300kWhまで26.00円/kWh
  • 第3段階料金:300kWhを超えたもの30.02円/kWh

基本料金は東京電力も東京ガスも同じですが、140kWhまでは東京ガスの方が1Kwhあたりの料金は高く、それ以上から安くなっていく料金プランです。新電力によくみられる電気使用量が多いほど安くなるプランといえます。ただし東京電力も対抗して電力使用量の多い家庭向きの新しい料金プラン(スタンダード・プレミアム)を出していますが、電気代が安くなるかどうかは電力使用量と契約の仕方の兼ね合いになるので一概に比較するのは難しいところです。

また、大手通信キャリアの安い料金プランと比較しても同等の安さとなっています。もっと安い電力会社はありますが、東京ガスの料金は電気使用量が多い家庭なら最安とはいえないまでも上位クラスの安さといえるでしょう。

すでにあった一般家庭への事業展開

電力自由化の1年前、2015年に開かれた東京ガスの株主総会では電力自由化について「都市ガス事業で既に獲得している1100万軒の顧客」を活かす戦略が語られていました。既に電力自由化への営業的な準備ができている会社だったわけです。さらに一般家庭にとっても知名度が高くなじみのある企業だったと言えるでしょう。

しかしなじみのある企業は東京ガスだけではありません。大手通信キャリア、ガソリンスタンドなど一般によく知られている企業が電力自由化に参入してきており、関東エリアでも新電力として選択肢に含まれています。

エネルギー関連のイメージ

電力というエネルギーからの連想ではガス会社か石油会社ということになったとしても不思議はありません。しかも常に家庭に供給されるエネルギーとしてはガソリンスタンドなどの石油系よりもガスの方が電力会社のイメージに近いということがあります。また常に供給しているサービスとして一般家庭で知名度の高い通信キャリアでも、印象としてエネルギー事業とはかけ離れたイメージでしょう。

総合的に東京ガスが魅力的

電力はライフライン、安定供給が不可欠です。どの新電力でも安定供給に変わりないとはいえ、従来から公共性の高い都市ガス事業で定評のある東京ガスは信頼性が高いといえるでしょう。また東京ガスは1100万軒の家庭にエネルギーを供給してきた長い歴史を持っています。その利点を駆使した営業も功を奏しているといえます。関東エリアの中で電気使用量の多い家庭なら、もし他にもっと安い新電力があったとしても「東京ガスなら安心」というわけです。

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