電力自由化、あれからどうなった?|開始から5か月の調査結果
電力自由化に対する消費者の認知度は?
2016年4月の電力小売自由化開始から5か月
2016年9月に電力・ガス取引監視等委員会がインターネットを通じて行った調査(対象:20歳から69歳までの男女)の結果が発表されました。電力小売自由化が始まってから5か月が経ち消費者の意識はどのようになっているのでしょう。
認知度は90%以上、しかしどの程度知っている?
「家庭用電力小売自由化についてどの程度ご存じですか」との質問に対して次のような結果となりました。
- 「内容を詳しく知っている」6.0%
- 「内容を知っている」20.8%
- 「聞いたことがあり内容はなんとなく知っている」40.6%
- 「聞いたことはあるが内容は知らない」23.2%
(計90.6%)
- 「聞いたことがない」9.4%
「聞いたことはあるが内容は知らない」を含め少なくとも電力が自由化されていることは知っている人は9割ですが、その内容については大半があまり詳しくは知らないという現状がうかがえます。
新電力に変更した、また料金プランを変更した人は?
やはり関心の高さがうかがえます。電力を変更した人の63.7%が内容をよく知っている結果となっています。
- 「内容を詳しく知っている」24.2%
- 「内容を知っている」39.5%
(計63.7%)
- 「聞いたことがあり内容はなんとなく知っている」26.0%
- 「聞いたことはあるが内容は知らない」8.0%
- 「聞いたことがない」2.3%
逆に電力を変更していない人は「内容を詳しく知っている」4.0%となるなど、関心の低さがうかがえます。
電力小売自由化の認知度は地域によっても違う
関心が高い地域は順に、1.東京電力管内、2.関西電力管内、3.北海道電力管内の3つの地域です。
東京電力管内では
- 「内容を詳しく知っている」6.9%
- 「内容を知っている」24.2%
- 「聞いたことがあり内容はなんとなく知っている」40.8%
- 「聞いたことはあるが内容は知らない」20.2%
- 「聞いたことがない」7.8%
関西電力管内では
- 「内容を詳しく知っている」6.7%
- 「内容を知っている」23.2%
- 「聞いたことがあり内容はなんとなく知っている」41.0%
- 「聞いたことはあるが内容は知らない」23.1%
- 「聞いたことがない」6.0%
北海道電力管内では
- 「内容を詳しく知っている」4.7%
- 「内容を知っている」20.9%
- 「聞いたことがあり内容はなんとなく知っている」43.9%
- 「聞いたことはあるが内容は知らない」21.2%
- 「聞いたことがない」9.3%
その他地域では(沖縄を除く)
- 「内容を詳しく知っている」平均5.45%
- 「内容を知っている」平均14.66%
- 「聞いたことがあり内容はなんとなく知っている」平均41.48%
- 「聞いたことはあるが内容は知らない」平均27.85%
- 「聞いたことがない」平均10.55%
電力小売自由化開始当初から、東京電力管内や関西電力管内での関心の高さや電力切り替え数の多さが目立っていましたが、2016年9月の調査でもその傾向は変わりがないことがわかります。
電力自由化に対する消費者の動向は?
電力を変更した人
同調査では回答者の7.2%が電力会社を変更し、また電力会社は変えていないが料金プランを変更したのは2.6%となりました。合わせて9.8%で、その中の7割が電力自由化開始以後の変更です。変更後の満足度は高く88.6%が求める水準以上であると答えています。
満足した理由としては「電気代が安くなった」が一番多く、電気代の節約を期待した消費者が料金を比較検討して電力を切り替えた結果、満足していることがうかがえます。また82.1%が「変更手続きが簡単だった」と答えました。
電力を変更していない人
電力を変えていないと答えた回答者の27.2%が「比較検討は行ったが変更していない」と答えています。「メリットがわからない」「不安」が理由にあげられており、電力自由化当初から言われていた「料金プランのわかりにくさ」や「新電力への漠然とした不安」が反映されているものとみられます。新電力にとってはわかりやすい料金体系と信頼性が今後の課題といえるでしょう。
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